最後の一日

今月の勤務はこの日で終わり。
同期(以下、「Aさん」とします)にとっては最後の勤務日でした。


自分は半休だったため
昼過ぎに勤務が終了。
Aさんに挨拶をして帰ろうと思ったのですが・・・いない。
昼休みに行ってしまってました。


所用のため休憩終了まで待てず
置手紙を書いて机において退社しました。


さいごに挨拶ができなくてごめんなさい。

本当にお疲れさまでした。
あと3時間半がんばったら、疲れた体をゆ〜っくり休めてください。
(何気に心配していたんだぞ!)
次の子のフォローは責任持ってやるから、こっちのほうは心配しないでね。

じゃあ、また明日。


明日、別部署の同期も退職するので、
その時にいっしょになるんですけどね・・・。



なんでAさんと絶縁状態になったかといいますと・・・
昨年の夏の私のミスが発端となりました。


私が電話にて聞いた「領収書を送ってほしい」という現場の要請に対して
彼女に渡したメモには「請求書を送ってほしい」と書いていたそうです。

それを現場から指摘されたとき・・・
彼女は烈火のごとく怒りました。
私はひたすら謝りましたが・・・
「同期みんながあなたとは仕事したくないといっている」
「あなたが私よりも仕事が多いのはあなたができるからじゃない。男だから」
「私はこんな会社に長くいたくない。早くやめたい。
あなたはこの会社と一緒につぶれてしまったらいい」


さすがに堪えました。
何日も夜に眠れなくなったりもしました。


彼女に対してはしばらくはこちらも仕事上に支障は出してはいけないと
やわらかく接していましたがどうにもならず。
3ヶ月以上この状態が続き、いつしか私は彼女に対しておびえるようになりました。
声をかけざるを得ないとき、足が震えていました。
いつの間にか彼女に対して敬語調になっていました。
いつの間にか仲間だと思っていた同期が信じられなくなってました。
一緒の空間にいることは恐怖でした。


彼女のほうはといいますと・・・
私が異動でいなくなってさぞかし明るくなっていると思いきや
・・・部内で孤立しているようでした。
決して嫌がらせを受けているとかじゃないんですけど・・・浮いていました。
(先輩に聞くと
「不機嫌な表情が多く声がかけられない」
「仕事を頼むと内容によっては嫌そうな顔をされるから頼む気になれない」とのこと)


また彼女は交際相手との結婚を両親に認めてもらえず
家でも孤立していたようです。
両親に対して相手とは別れたように伝え
こっそりと隠れて相手とあっているという話も耳にしました。


「やりたくもない仕事」
「職場での孤立」
「家庭での孤独感」
「オープンにできないプライベート」。


私に対してキレたのもおそらくこれらの要因も重なってのことでしょう。
きっと誰かをものすごく傷つけたくなったのでしょうね。
それらは彼女の表情にも表れ始めました。
不機嫌な表情と、肌の荒れに。


時々は
「顔色悪いぞ」とか「風邪大丈夫か?」と声をかけることはあっても
二言三言で話が終わってしまうような状態でした。


普通あそこまで言われるともう口も利きたくありません。
でも彼女のいい部分もたくさん知っているだけに、ほっとくことはできなかったのです。
でも頭に来ている部分、恐怖を感じることもありなかなか接することができませんでした。


中途半端な接し方のまま
今月の半ばに退職の報告を受け
結局この日を迎えてしまったわけです。


もうちょっと強い自分でいれば
もうちょっと彼女に接していればこんなことにはならなかったのかもしれません。
彼女からも・・・
「あの時は言い過ぎた」って一言があれば
単純な自分のこと・・・元に戻れたかもしれません。